「転勤で家を空けることになった」「相続した実家をそのままにするのはもったいない」……。
そんな時、家を売却せずに「貸し出す」ことで家賃収入を得る選択肢は非常に魅力的です。
しかし、いざ個人で家を貸そうと思うと、「何から手をつければいいのか?」「入居者とトラブルになったらどうしよう」と不安が尽きないものです。
正しい知識なしに踏み出すと、家賃滞納や立ち退きトラブル、さらには住宅ローン契約違反といった取り返しのつかないリスクを背負うことにもなりかねません。
本記事では、プロの視点から個人が家を貸す際の手順やコスト、そしてリスクを最小限に抑えつつ資産を守るための「賢い管理の選び方」を徹底解説します。この記事を読めば、あなたの家を「負債」ではなく「確かな資産」に変える方法が分かります。
1. 個人で家を貸す方法と必要な業務の全容
個人で家を貸す場合、大きく分けて「自主管理」と「管理委託」の2つの方法があります。それぞれの特徴と、オーナーが担うべき業務について解説します。
自分一人で家を貸し出す「自主管理」という選択
自主管理とは、入居者の募集から契約、家賃の回収、建物のメンテナンス、そして退去時の立ち会いまで、すべての業務をオーナー自身が行う方法です。この方法の最大のメリットは、管理会社に支払う手数料(一般的に家賃の3〜5%程度、あるいはそれ以上)を節約できる点にあります。
法的には特別な資格がなくても、個人が貸主として家を貸すことは可能です。
しかし、これは「大家業」を本業とするレベルの時間と知識がある場合に限られます。特に、転勤で遠方に住む場合や、日中仕事をしている会社員にとって、突発的なトラブル対応が必要な自主管理は現実的ではありません。
実務の多さに驚く?オーナーが担うべき煩雑な業務の全貌
では、具体的にどのような業務が発生するのでしょうか。参考までに、自主管理を選んだ場合にオーナーが一人でこなさなければならないタスクを挙げてみます。
入居者募集・契約フェーズ
- 賃料査定: 近隣相場を調査し、適切な家賃を設定する。
- 広告活動: インターネットやチラシで入居者を募集する。
- 内見対応: 希望者のスケジュールに合わせて鍵を開け、物件を案内する。
- 入居審査: 家賃支払い能力や人柄、反社会的勢力との関わりがないかを見極める。
- 契約締結: 賃貸借契約書、重要事項説明書を作成し、署名・捺印を進める。
運営・管理フェーズ
- 家賃管理: 毎月の入金確認を行い、未払いがあれば督促を行う。
- 建物点検: 設備、漏水、外壁の損傷などを定期的にチェックする。
- 修繕手配: 給湯器の故障や雨漏りなどが発生した際、速やかに業者を手配する。
- クレーム対応: 騒音問題やゴミ出しのルール違反など、入居者間や近隣住民とのトラブルを仲裁する。
退去フェーズ
- 退去立ち会い: 部屋の汚れや傷を確認し、どちらが費用を負担するかを交渉する。
- 敷金精算: 工事費用を差し引き、残金を返還する。
これらを全てミスなく遂行するには、多大な労力と専門知識が必要です。
「手数料がもったいない」という理由だけで自主管理を始めると、トラブル対応で精神をすり減らし、結果的にコスト以上の損失を被るリスクが高いのが現実です。
2. 家を貸すことで得られるメリットと、決して無視できない「3大リスク」

それでもなお、家を貸すことには大きな魅力があります。
安定した副収入と節税効果|資産として家を持ち続ける利点
家を貸す最大のメリットは、やはり経済的な恩恵です。
- 定期的な家賃収入:
特に入居者が付きやすいファミリータイプの一戸建てや分譲マンションであれば、毎月数万円から十数万円の安定した現金収入が見込めます。これは将来の貯蓄や、ローンの返済原資として非常に心強い存在です。 - 資産の維持:
人は住まない家ほど早く傷むと言われます。適切に誰かに住んでもらうことで、換気や通水が行われ、建物の劣化を遅らせることができます。将来的に自分が戻る、あるいは子供に相続させる際まで、資産価値を維持しやすくなります。 - 節税効果:
不動産賃貸業で発生した赤字は、給与所得などと損益通算できる場合があります。ただし、不動産所得が赤字の場合、土地の取得にかかった借入金の利子部分は損益通算の対象外となる税制上の制限があるため注意が必要です。 - 副業としての許容度:
会社員や公務員でも、一定規模以下であれば、副業禁止規定に抵触せず認められるケースがほとんどです。「不労所得」に近い性質が考慮されるためです。
空室・滞納・修繕|不動産運用の素人が陥りやすい致命的なトラブル
一方で、メリットばかりに目を向けてはいけません。以下の「3大リスク」は、プロの管理会社でさえ警戒するポイントです。
- 空室リスク(収入ゼロのリスク)
家を貸し出す場合、必ずしも入居者がすぐに見つかるとは限らず、空室が続くリスクが常に存在します。家を所有しているだけでも、固定資産税や都市計画税などの維持費が発生しますが、入居者がいなければ家賃収入は得られず、これらの費用が負担となります。 - 家賃滞納リスク(精神的・金銭的負担)
入居者が家賃を払わなくなるトラブルは後を絶ちません。日本の法律は借主を強く保護しているため、家賃を数ヶ月滞納されたからといって、すぐに鍵を交換したり、強制的に追い出したりすることは法的に禁じられています。督促業務は精神的なストレスが大きく、裁判になれば時間も費用もかかります。 - 修繕・事故リスク(突発的な出費)
給湯器の故障、エアコンの不調、雨漏りなど、設備は必ず壊れます。これらは貸主の責任で直さなければならず、一度に数十万円の出費が必要になることもあります。また、入居者が部屋を汚して退去する「汚部屋」問題や、近隣トラブル、最悪の場合は夜逃げや室内での死亡事故など、想定外の事態が起こる可能性もゼロではありません。
3. 持ち家賃貸の成否を分ける「契約形態」の選び方|普通借家と定期借家の違い
個人で家を貸す際、最も慎重に選ばなければならないのが「契約の種類」です。
特に、転勤や相続など「将来的にその家をどうするか未定」あるいは「いずれ戻りたい」と考えている場合、選択を誤ると取り返しがつかないことになります。
借主の権利が強い「普通借家契約」で貸す際の注意点
一般的にアパートやマンションを借りる際に結ばれるのが「普通借家契約」です。
この契約の最大の特徴は、「借主が住み続けたいと言えば、契約は原則更新される」という点です。
貸主が「自分が住みたいから出て行ってほしい」という主張であっても、法的な「正当事由」として認められるハードルは極めて高く、解約には「数百万円単位の立ち退き料」を支払うリスクが伴います。
「自分の家なのに、自分の好きなタイミングで返してもらえない」という事態を避けるため、個人の持ち家賃貸では安易に選ぶべきではありません。
転勤者には必須!「定期借家契約」なら必ず家が戻ってくる理由
これに対し、転勤者や一時的に貸したい人におすすめなのが「定期借家契約」です。
この契約は、あらかじめ決めた契約期間が満了すれば、更新されることなく契約が確実に終了します。借主は期間満了とともに退去しなければなりません。
「○年後には帰任する予定がある」といった場合、定期借家契約であれば、立ち退き料や裁判沙汰のリスクなく、確実に家を取り戻すことができます。
家賃は普通借家より多少安くなる傾向がありますが、資産の保全を最優先するなら必須の条件です。
4. 貸し出しにかかるコストと税金|住宅ローン返済中のチェックポイント
「家賃収入がそのまま手元に残る」わけではありません。収支計画を立てるために、事前に把握しておくべきコストと、住宅ローンに関する重要な注意点について解説します。
クリーニングから管理委託費まで|事前に把握すべき支出項目
家を貸し出す前後には、以下のような費用が発生します。特に「原状回復」については国土交通省のガイドラインを正しく理解する必要があります。
- リフォーム・クリーニング費用:
入居者が退去した後、物件のクリーニングや修繕が必要です。国土交通省のガイドラインでは、経年劣化や通常損耗(日焼けや家具の跡など)の修繕費は「オーナー負担」が原則とされています。ただし、タバコのヤニ、ペットの傷、不注意による汚損など、借主の故意・過失や「善管注意義務違反」がある場合は、入居年数に関わらず修繕費を請求される場合があります。 - 仲介手数料: 一般的には賃料の0.5ヶ月〜1ヶ月分です。
- 管理委託手数料: 管理会社に管理を任せる場合、毎月の家賃の3〜5%程度がかかります。
住宅ローン返済中の家を貸す際、銀行に確認すべき「契約違反」のリスク
住宅ローンが残っている家を貸す場合、絶対に避けなければならないのが「銀行への無断転貸」です。
住宅ローンは本人が住むことを条件に融資されています。銀行に無断で他人に貸し出したことが発覚した場合、契約違反として「期限の利益の喪失」を招き、数千万円単位の残債を「一括返済」するよう請求される致命的なリスクがあります。
ただし、転勤等の「やむを得ない事情」がある場合に限り、事前に銀行へ相談し所定の手続きを行えば、住宅ローンのまま賃貸が認められるケースがあります。必ず事前に金融機関の承諾を得てください。
5. 【解決策】「転貸方式」を活用してリスクを回避する
これまで解説してきた通り、個人で家を貸すには「自主管理の手間」「空室・滞納リスク」「契約形態の選択」「法的な落とし穴」など、クリアすべき課題が山積しています。
「リスクは怖いけれど、家賃収入は捨てがたい」「将来必ず家に戻りたい」。そんなオーナー様の悩みを解決する有効な手段として、「転貸方式」という管理手法があります。
法人が借主になる「転貸方式」なら家賃滞納リスクを排除できる
一般的な管理会社とは異なり、「転貸方式」では、専門会社がオーナー様から家を借り上げ、それを入居者に転貸します。
契約の直接の相手方は「入居者個人」ではなく「専門会社」になります。そのため、万が一入居者が滞納したとしても、オーナー様には契約企業から毎月確実に賃料が支払われます。
例えば、東証プライム市場上場「リログループ」のグループ会社である「リロケーション・ジャパン」のような財務基盤のしっかりした会社をパートナーに選べば、長期間にわたって安心して家賃収入を得ることが可能です。
「定期借家契約」の実績が豊富な会社を選ぶ重要性
転貸方式を利用する上で重要なのが、パートナー会社の「実績」と「専門性」です。特に将来家に戻る予定がある場合、以下の点が会社選びの基準となります。
- 定期借家契約の運用ノウハウ:「一時的に貸して、必ず戻る」ことを前提とした契約です。契約満了時にトラブルなく明け渡しが行われるよう、徹底した管理能力が求められます。
- 圧倒的な集客力: いくら仕組みが良くても、入居者が見つからなければ意味がありません。法人契約のネットワークを強く持っている会社であれば、優良な入居者をスピーディーに見つけることが可能です。
まとめ

個人で家を貸し出すことは、資産形成やローンの補填に有効ですが、知識のないまま「自主管理」を続けるには限界があります。特に将来的にその家に戻る可能性があるのなら、目先の管理料だけでなく、「資産が確実に守られるか」「家賃が保証されるか」という視点が不可欠です。
「定期借家契約」のノウハウが豊富で、自らが「借主」となって家賃滞納等のリスクを遮断してくれる「転貸方式」を活用することが、最終的な手残りと安心を最大化する近道です。せっかくの持ち家を「トラブルの種」にしないためにも、まずは一度、専門家に無料の賃料査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
リロケーション・ジャパンは、定期借家契約のプロフェッショナルとして、これまで数多くのご自宅を安心・安全にお預かりしてきました。
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