人手不足が深刻化するなか、福利厚生の充実度は採用力や従業員の定着率を大きく左右する重要な経営テーマになっています。
求職者の価値観が多様化するなか、給与だけでは企業の魅力を十分に伝えられず、福利厚生の内容が応募数や内定承諾率に影響するケースも増えてきました。
こうした背景から、福利厚生は「コスト」ではなく、優秀な人材を惹きつけ、長く活躍してもらうための戦略的な投資として注目されています。
特に中小企業では、大手企業との差別化や採用競争力の向上を目的に、ユニークな制度を導入する動きも広がっています。
本記事では、最新の人気福利厚生ランキング、導入メリット、制度を効率的に整備するポイント、そして成功企業の事例までをわかりやすく解説します。
自社に最適な福利厚生を選ぶための実践的なヒントとして、ぜひ参考にしてください。
1.福利厚生の基礎知識と最新トレンド
福利厚生とは、企業が従業員に提供する給与・賞与以外の報酬やサービスの総称です。
かつては「従業員のための付加サービス」という位置づけでしたが、現在では採用力や定着率を左右する戦略的な経営施策として注目度が高まっています。
求職者の価値観が多様化し、働き方の選択肢が広がるなかで、福利厚生の内容が企業の魅力を測る重要な指標になりつつあります。
ここでは、まず福利厚生の基本的な分類を押さえたうえで、2026年に押さえておきたい最新トレンドを解説します。
福利厚生が企業選びの決め手になる時代
福利厚生は、いまや求職者が企業を選ぶ際の重要な判断基準となっています。
第一生命が2025年に実施した調査では、回答者の8割以上が「福利厚生は仕事選びに影響する」と回答しています。
特にZ世代ではその傾向が顕著で、「給与よりも働きやすさや制度の充実度を重視する」という回答が増加しています。
こうした背景から、福利厚生は「コスト」ではなく、
- 優秀な人材を惹き付けるための投資
- 従業員の定着率を高めるための基盤
- 企業ブランドを形成する要素
として位置づけられるようになりました。
特に中小企業では、大手企業との給与差を補う手段として、ユニークな福利厚生で差別化を図る動きが広がっています。
採用市場での競争が激化するなか、制度設計の巧拙が企業の成長を左右する時代に入ったといえるでしょう。
出典:第一生命経済研究所 ICHI LAB「会社員500名以下の企業に勤める方に聞いた 福利厚生に関するアンケート調査」
法定福利厚生と法定外福利厚生の違い
福利厚生は大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」に分類されます。
法定福利厚生
法律で企業に導入が義務づけられている制度で、以下の6つが該当します。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 介護保険
- 子ども・子育て拠出金
企業規模に関わらず必ず実施しなければならない、いわば「社会保障としての最低ライン」です。
法定外福利厚生
企業が任意で導入する制度であり、内容は多岐にわたります。
住宅手当、食事補助、レジャー施設の優待、資格取得支援など、企業の文化や方針が色濃く反映される領域です。
法定福利厚生が「義務的な制度」であるのに対し、法定外福利厚生は「企業の魅力を高める差別化ポイント」として活用できます。
本記事で紹介する「おすすめの福利厚生」は、この法定外福利厚生が中心です。
2026年に注目される福利厚生のトレンド
2026年に押さえておきたい福利厚生のトレンドは次の5つです。
| トレンド | 概要 |
| 健康経営 | フィットネス補助やメンタルヘルスケアなど、従業員の健康を経営課題として扱う企業が増加 |
| 柔軟な働き方支援 | リモートワーク手当、フレックス制度の拡充など、場所・時間に縛られない働き方を支援 |
| 育児・介護支援の強化 | 男性育休の取得推進、ベビーシッター補助、介護休暇の拡充など実務的な支援が加速 |
| リスキリング支援 | 資格取得補助やeラーニング提供など、学び直しを後押しする制度が拡大 |
| カフェテリアプラン | ポイント制で好きなメニューを選べる仕組みが普及し、多様なニーズに対応 |
これらに共通するのは、従業員一人ひとりの状況に寄り添う柔軟性です。
画一的な制度ではなく、ライフステージや価値観に合わせて選べる仕組みが、これからの福利厚生には欠かせません。
2.従業員が本当に喜ぶおすすめ福利厚生ランキング

どれほど制度を整えても、従業員に利用されなければ投資効果は十分に発揮されません。
ここでは、実際の調査データと企業事例をもとに、従業員から支持されている福利厚生の傾向を整理します。
従業員のニーズを正しく把握することで、制度の利用率と満足度を高めるヒントが見えてきます。
調査データに見る人気福利厚生の傾向
第一生命が2025年に実施した調査(従業員数500名以下の企業に勤める会社員が対象)では、「あったら(あって)嬉しい福利厚生」として、以下の結果が報告されています。
| 順位 | 福利厚生制度 | 割合 |
| 1位 | 退職金制度 | 32.4% |
| 2位 | 家賃補助・住宅手当 | 27.4% |
| 3位 | 特別休暇 | 16.6% |
| 4位 | 保養所・レクリエーション施設利用 | 9.9% |
| 5位 | 外部飲食店で利用できる食券などの配布 | 7.7% |
| 6位タイ | 運動会などのレクリエーション活動 | 5.7% |
| 6位タイ | 社員持株会 | 5.7% |
| 8位 | 治療・介護・育児との両立支援 | 5.3% |
| 9位 | メンタルヘルス相談 | 4.7% |
| 10位 | 社外の自己啓発サービスの提供・経費補助 | 4.4% |
上位3つだけで全体の約7割を占めており、
「将来への安心」
「住まいの負担軽減」
「プライベートの充実」
が従業員にとっての三大ニーズであることがわかります。
出典:第一生命経済研究所 ICHI LAB「会社員500名以下の企業に勤める方に聞いた 福利厚生に関するアンケート調査」
若手社員に支持される福利厚生とは
同調査を入社年数別に見ると、入社9年以内の若手社員では、家賃補助・住宅手当が37.4%で1位となっています。
社会人になって間もない時期は、収入に対して家賃負担の割合が大きくなりやすいため、住宅関連の支援が強く求められる傾向にあります。
また、特別休暇も若手層から高い支持を得ています。
「リフレッシュ休暇」や「バースデー休暇」など、気軽に取得できる休暇制度は、ワークライフバランスを重視するZ世代の価値観と相性が良い制度です。
若手の採用・定着を強化したい企業ほど、「住宅手当の拡充+取得しやすい休暇制度」が効果的な施策となるでしょう。
ベテラン社員が重視する福利厚生の特徴
一方、入社10年以上のベテラン社員では、退職金制度が43.6%で1位という結果でした。
年齢が上がるほど、老後資金やセカンドキャリアへの関心が高まり、将来の生活設計に直結する制度を求める傾向が強まります。
また、治療と仕事の両立支援やメンタルヘルス相談など、健康関連の制度もベテラン層で支持率が上昇しています。
長く働き続けるためには、「心身の健康を維持しながら無理なく働ける環境」が不可欠であり、企業側のサポートが求められています。
若手には住宅手当や休暇、ベテランには退職金や健康支援というように、年代ごとの優先順位を踏まえた制度設計が重要です。
企業事例に学ぶユニークな福利厚生制度
独自の福利厚生を導入し、採用や定着で成果を上げている企業の事例を紹介します。
サイバーエージェント「macalonパッケージ」
女性活躍を促進するための独自制度。
月1回取得できる「エフ休」は、利用用途が周囲にわからない仕組みで、取得の心理的ハードルを下げています。
また、勤務先の最寄駅から2駅圏内に住む従業員へ月3万円を支給する「2駅ルール」は、通勤負担の軽減と定着率向上の両面で効果を発揮しています。
出典:株式会社サイバーエージェント 公式サイト サステナビリティ情報
GMOインターネットグループ「GMO Yours」
社内に24時間利用可能なシナジーカフェ「GMO Yours」を設置し、ランチ・軽食・ドリンクを無料提供。
管理栄養士監修メニューのほか、託児所「GMO Bears」やマッサージ・昼寝スペース「GMO BALIRELAX」も併設し、職場環境全体で従業員を支える仕組みが特徴です。
メルカリ「merci box」
産休・育休期間中の給与100%保障、妊活支援、認可外保育園の補助など、ライフイベントを幅広く支援する制度パッケージ。
2021年には卵子凍結費用の支援も追加され、制度は進化を続けています。
出典:株式会社メルカリ プレスリリース「merci box」導入のお知らせ
リクルート「STEP休暇」
在籍3年ごとに最大28日間の連続休暇を取得できる制度。
年間休日145日(平均週休約3日)に加え、有給休暇を4日以上連続で取得すると5万円が支給される「アニバーサリー手当」も導入されており、従業員のリフレッシュを積極的に後押ししています。
3.福利厚生を充実させるメリット
福利厚生の充実は、企業と従業員の双方に大きなメリットをもたらします。
制度を整えることは単なる“福利”ではなく、採用力・生産性・企業ブランドといった経営成果に直結する「人への投資」です。
ここでは、企業側と従業員側、それぞれの視点から得られるメリットを整理します。
企業側が得られる4つのメリット
福利厚生を戦略的に整備することで、企業は次の4つの効果を期待できます。
(1) 採用力向上・人材確保
求職者にとって福利厚生は、給与と並ぶ重要な判断材料です。
制度が充実している企業は魅力が伝わりやすく、応募数の増加や内定辞退率の低下につながります。
特に若手層は「働きやすさ」を重視する傾向が強いため、福利厚生の内容が採用成果を左右する場面が増えています。
(2) 従業員満足度・エンゲージメント向上(=生産性向上)
福利厚生が整った環境では、従業員が「会社に大切にされている」と感じやすくなります。
この心理的安心感はエンゲージメント(仕事への主体的な関与)を高め、結果として業務の質や生産性の向上につながります。
健康支援や学習支援など、日常の働きやすさを支える制度ほど効果が高い傾向があります。
(3) 人材定着・離職率低下
転職が一般化した現在、従業員の定着は多くの企業にとって大きな課題です。
住宅手当や育児支援、健康サポートなど、日々の生活やキャリア形成を支える制度が整っていれば、従業員が長く働き続ける動機付けになります。
「働き続けたいと思える環境」をつくることは、採用コストの削減にも直結します。
(4) 企業イメージ・ブランド力の向上
福利厚生の充実は、社外からの信頼性向上にもつながります。
たとえば、
- 健康経営優良法人
- くるみん認定
などの公的認定は、企業の取り組みを客観的に示す指標となり、採用広報や営業活動にもプラスに働きます。
人材施策への積極的な姿勢が、企業ブランドの価値を押し上げる時代になっています。
従業員側が実感する3つのメリット
続いて、従業員の視点から福利厚生がもたらすメリットを整理します。
(1) 経済的・心理的安心感
住宅手当や退職金制度などの経済的支援は、日常の金銭的不安を軽減します。
「いざというとき会社が支えてくれる」という安心感は、仕事に集中するための土台となり、長期的なキャリア形成にもプラスに働きます。
(2) モチベーションアップ
資格取得支援やリスキリング補助など、成長を後押しする制度は、従業員の自己実現を支える重要な要素です。
会社が自分の成長に投資してくれているという実感は、日々の仕事への意欲向上につながります。
(3) 健康増進・ストレス軽減
フィットネス補助やメンタルヘルス相談など、健康面の福利厚生は心身の不調を未然に防ぐ役割を果たします。
健康を維持しながら働ける環境が整えば、休職リスクの低減にもつながり、結果として企業全体の生産性向上にも寄与します。
福利厚生に投じたコストは、採用力・定着率・生産性の向上という形で企業に還元されます。
まさに“企業と従業員の双方にメリットをもたらすWin-Winの施策”といえるでしょう。
4.福利厚生を効率的に導入するための実践ポイント

福利厚生の導入や見直しは、単に制度を増やせば良いというものではありません。
従業員の満足度向上や採用力強化といった成果につなげるには、戦略的な設計と運用が欠かせません。
ここでは、効果的に福利厚生を整備するための3つのポイントと、導入を後押しする代行サービスについて解説します。
自社の従業員ニーズを正確に把握することが制度設計の第一歩
福利厚生の効果を最大化するには、まず「従業員が何を求めているのか」を正しく理解する必要があります。
社内アンケートや個別ヒアリングを行い、年代・家族構成・勤務地などの属性別にニーズを可視化しましょう。
本記事で紹介した調査結果でも明らかなように、若手とベテランでは求める制度が大きく異なります。
- 若手:住宅手当や特別休暇
- ベテラン:退職金制度や健康支援
このように属性ごとに優先順位をつけることで、制度の利用率と満足度を高めることができます。
なお、パーソル総合研究所の調査でも「従業員のニーズと制度のミスマッチが離職意向を高める」という傾向が示されており、ニーズ把握の重要性は年々高まっています。
出典:パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査 2025」
コストと効果のバランスを定期的に検証する
福利厚生には当然コストが発生します。
重要なのは、導入して終わりではなく、制度の利用状況や満足度を定期的にモニタリングし、費用対効果を検証することです。
利用率が低い制度は、従業員ニーズとのズレが生じている可能性があります。
年に1回は利用実績を振り返り、必要に応じて制度の改廃をすることで、限られた予算を最大限に活かすことができます。
福利厚生代行サービスの活用で運用負担を大幅に軽減
従業員ニーズが多様化するなか、すべてを自社で整備・運用するのは大きな負担になります。
そこで有効なのが、福利厚生代行サービスの活用です。
代行サービスを活用することで、
- 宿泊・レジャー・育児・健康支援など幅広いメニューを一括提供
- スケールメリットによるコスト削減
- 従業員からの問い合わせ対応の軽減
- 専任担当者がいなくても大企業並みの制度を導入可能
といったメリットが得られます。
特に中小企業では、限られたリソースで制度を整備できるため、導入効果が大きい選択肢といえるでしょう。
おすすめ福利厚生代行サービス3選
ここでは代表的な福利厚生代行サービスを3社紹介します。
各社の強みを比較しながら、自社に合ったサービスを検討してみてください。
(1) リロクラブ「福利厚生倶楽部」
1993年にスタートした日本初の福利厚生代行サービス。
契約団体は25,800社、会員数は1,340万人(2025年6月時点)と業界トップクラスの規模を誇ります。
- 中小企業の導入実績が約8割
- 全国50エリアで地域密着型サービスを展開
- 12万以上の福利厚生コンテンツ
- 8言語対応で外国籍社員の多い企業にも適する
中小企業でも大企業並みの制度を導入しやすい点が大きな魅力です。
公式サイト:https://www.reloclub.jp/
(2) ベネフィット・ワン「ベネフィット・ステーション」
140万件以上の優待メニューを持つ業界最大級のサービス。
導入団体は約18,100社、会員数は1,220万人(2025年4月時点)。
- Netflix見放題付きプランなどエンタメ系が充実
- 二親等以内の家族も利用可能
- 第一生命HD傘下となり金融サービスとの連携強化が期待
公式サイト:https://corp.benefit-one.co.jp/service/bs/
(3) イーウェル「WELBOX」
東急不動産系列のリゾートホテル(東急ハーヴェストクラブ等)を優待利用できる点が特徴。
契約団体は約1,341社、会員数は約384万人。
- カフェテリアプラン運用で業界トップクラスの実績
- 補助対象や金額を細かく設定できる高いカスタマイズ性
- 未利用分の補助金が返金される精算方式でコスト管理が容易
公式サイト:https://www.ewel.co.jp/products/welbox
まとめ|自社に最適な福利厚生で採用力と定着率を高めよう
本記事では、福利厚生の基礎知識から人気ランキング、導入メリット、そして効率的な整備方法までを解説しました。
福利厚生は単なるコストではなく、採用力・定着率・生産性向上につながる「人への投資」です。
若手は住宅手当、ベテランは退職金制度など、年代によって求める制度は異なります。従業員ニーズの把握と費用対効果の検証をしながら、優先順位をつけて制度を整備することが重要です。
また、多様なニーズに効率よく応えるには、福利厚生代行サービスの活用も有力な選択肢です。
本記事で紹介した3社はそれぞれ異なる強みを持っているため、自社の規模や課題、予算に合わせて比較検討してみてください。
福利厚生の整備を検討する際、まずは信頼できるパートナーを選ぶことが成功の鍵になります。
その点、リロクラブの「福利厚生倶楽部」は、1993年のサービス開始以来、25,800社・1,340万人が利用する国内最大級の福利厚生サービスとして、多くの企業から選ばれてきました。
同社は東証プライム上場・リログループの一員として、長年にわたり企業の人事・総務部門を支援してきた実績を持ち、安心して導入できる体制が整っています。
中小企業から大企業まで幅広い導入実績があるため、「自社に合った制度がわからない」という企業でも、専門スタッフが丁寧にサポートしてくれます。
まずは資料請求や問い合わせを通じて、自社に最適な福利厚生の形を探してみてはいかがでしょうか。
働きやすい環境づくりの第一歩として、きっと大きな助けになるはずです。
▼リロクラブ「福利厚生倶楽部」の詳細はこちら
