転勤や海外赴任が決まったとき、多くの方が最初に悩むのが「自宅をどうするか」という問題です。

売却するべきか、それとも保有したまま活用するべきか。

特に住宅ローンが残っている場合、「賃貸に出しても問題ないのか」「手続きは複雑ではないか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、金融機関への適切な手続きと契約形態の選定を行えば、住宅ローン返済中であっても自宅を賃貸に出すことは可能です。

一方で、事前確認を怠ったまま進めてしまうと、契約違反や予期せぬコスト増加、帰任時に自宅へ戻れないといったリスクにつながるおそれもあります。

さらに、実際に賃貸運用を始めてからも、入居者対応や設備トラブル、空室対策といった管理業務が発生するため、「遠方からどのように物件を管理するか」は重要な検討ポイントとなります。

特に海外赴任者にとっては、時間的・距離的な制約から十分な対応が難しいケースも少なくありません。

本記事では、自宅を賃貸に出す際の基本的な考え方から、住宅ローンとの関係、具体的な手順、費用や税金、そして見落としがちなリスクまでを体系的に解説します。

あわせて、海外赴任中の自宅管理においてどのような課題が生じやすいのかについても触れながら、安心して賃貸運用を進めるためのポイントをわかりやすく整理します。

転勤中でも資産を有効活用しながら、帰任後の住まいを確保するために。

ぜひ最後までご覧いただき、ご自身に合った最適な選択につなげてください。

目次

1. 自宅を賃貸に出すメリット

転勤や海外赴任により自宅を空ける場合、「売却せずに賃貸に出す」という選択には、経済面・資産面の両方で複数のメリットがあります。

ここでは代表的なポイントを整理しながら、実際の活用イメージとあわせて解説します。

家賃収入で住宅ローンや住居費の負担を軽減できる

自宅を賃貸に出す最大のメリットは、家賃収入によって住宅ローンの返済や転勤先での住居費を補填できる点です。

転勤時には

  • 自宅のローン返済
  • 赴任先の家賃

という「二重の住居費負担(ダブルコスト)」が発生しがちです。

自宅を貸し出せば、この負担を大きく軽減できます。

また、家賃収入がローン返済額を上回る場合には、固定資産税や管理費などを差し引いても利益が残る可能性があります。

資産運用という観点でも、有効な選択肢といえるでしょう。

ただし、賃貸経営には空室リスクが伴います。

立地や条件によっては一定期間入居者が決まらないケースもあるため、最低でも数カ月分の返金資金を確保しておくことが重要です。

資産を手放さずに資産として維持できる

賃貸に出すことで、自宅を売却せずに保有し続けられる点も大きなメリットです。

不動産価格は景気やエリアの需給によって変動するため、「売りたいときに相場が低い」という状況も少なくありません。

そのような局面で無理に売却せず、賃貸として活用することで、資産価値の維持や将来的な売却タイミングの調整が可能になります。

特に海外赴任のように「いずれ戻る予定」がある場合は、

  • 帰任後に再び自宅に住める
  • 引き続き同じ住環境を維持できる

といった安心感も得られます。

また、立地が良く需要の高い物件であれば、賃貸需要が安定しやすく、中長期的に見ても資産としての価値を維持しやすい点もメリットです。

定期借家で期間を限定して貸し出せる

転勤などで一定期間だけ自宅を離れる場合、「定期借家契約」を活用すれば、賃貸期間をあらかじめ設定できます。

例えば、赴任期間が3年であれば、3年間の契約として貸し出し、満了時に確実に自宅へ戻ることが可能です。

通常の普通借家契約では、契約期間が終了しても借主が更新を希望すれば継続されるため、オーナー側の都合だけで退去してもらうことは原則できません。

これに対して定期借家契約は、契約期間満了によって確実に終了するという特徴があります。

そのため、

  • 帰任時期が決まっている
  • 将来的に自宅に戻る前提がある

といったケースでは、非常に相性の良い契約形態といえます。

なお、一般的に定期借家契約は普通借家契約と比較して家賃がやや低く(1~2割程度)設定される傾向があります。

ただし、近年は差が縮小しており、立地や物件条件によっては大きな差が出ないケースも増えています。

2. 自宅を賃貸に出すデメリット・リスク

自宅の賃貸運用には、家賃収入や資産活用といったメリットがある一方で、見落としがちなリスクや負担も存在します。

特に海外赴任や遠方への転勤の場合、物理的に対応が難しくなるため、事前にリスクを理解したうえで対策を検討することが重要です。

ここでは、実務上特に押さえておきたい主なリスクを解説します。

空室や家賃滞納によって収支が不安定になる

自宅を賃貸に出したとしても、必ずしも毎月安定した収入が得られるとは限りません。

立地や築年数、賃料設定によっては入居者が決まらず、数カ月間空室になるケースもあります。

空室期間中も、

  • 住宅ローンの返済
  • 固定資産税や管理費

といった支出は続くため、想定していた収支計画が大きく崩れる可能性があります。

また、入居者が決まった後も、家賃滞納のリスクは完全には避けられません。

近年は家賃保証会社の利用が一般的になっているものの、トラブルが発生した場合には、

  • 督促対応
  • 契約解除手続き
  • 法的対応

といった負担が発生する可能性があります。

特に海外赴任中の場合、こうした対応を自分で行うのは現実的ではなく、管理体制の整備が重要になります。

契約形態によっては帰任時に自宅へ戻れないことがある

賃貸借契約の種類によっては、帰任時に自宅へ戻れなくなるリスクがあります。

一般的な「普通借家契約」では、借主に居住継続の意思がある限り、オーナー側の都合だけで契約を終了することは原則できません。

借地借家法により借主の権利が強く保護されているため、転勤終了を理由とした解約が認められないケースもあります。

この点を十分に理解せず契約を結んでしまうと、「帰任したのに自宅に戻れない」という事態に陥る可能性があります。

こうしたリスクを回避するためには、あらかじめ契約期間満了で終了する「定期借家契約」を選択し、適切な手続きを踏むことが重要です。

管理業務の負担が想像以上に大きい

自宅を賃貸に出すと、入居者がいる限り継続的な管理業務が発生します。

具体的には、

  • 設備故障や水漏れなどのトラブル対応
  • 入居者からの問い合わせ対応
  • 契約更新や解約手続き
  • 原状回復の確認・手配
  • 空室時の再募集

など、多岐にわたります。

これらは一つひとつは突発的でも、積み重なると大きな負担となります。

特に海外赴任中の場合、時差や距離の問題もあり、迅速な対応が難しくなることが少なくありません。

また、対応が遅れることで、

  • 入居者満足度の低下
  • 退去リスクの増加
  • クレームや紛争

といった二次的なリスクにもつながる可能性があります。

管理を任せてもコストが継続的に発生する

管理の負担を軽減するために不動産会社へ委託する場合でも、一定のコストは発生します。

一般的な賃貸管理では家賃の3~5%程度、転勤者向けのリロケーション対応を含むサービスでは5~12%程度(フルサービス型は10%前後)が相場とされています。

サービス内容によっては、定期巡回や緊急対応、退去時の原状回復手配などが含まれるケースもあります。

管理を委託すれば手間は軽減されますが、

  • 収益性の低下
  • サービス品質のばらつき

といった点も考慮する必要があります。

単純に「任せれば安心」というわけではなく、どこまで任せるか、どのレベルの管理体制が必要かを見極めることが重要です。

3. 住宅ローンが残っていても自宅を賃貸に出せるか

住宅ローンが残っている状態で自宅を賃貸に出せるのかは、多くの方が最も気になるポイントです。

結論から言うと、一定の条件を満たせば可能ですが、金融機関との調整を行わずに進めると契約違反となるリスクがあります。

ここでは、住宅ローンと賃貸運用の関係について、基本ルールから具体的な対応方法まで整理します。

住宅ローンは「自己居住」が前提条件

住宅ローンは、原則として「契約者本人またはその家族が居住すること」を前提に提供される融資です。

そのため、返済中の住宅を第三者に貸し出す行為は、契約内容に抵触する可能性があります。

この点を理解せず、金融機関への相談なしに賃貸に出してしまうと、

契約違反として扱われるリスクがあるため注意が必要です。実際には、金融機関は定期的に所在確認を行う場合があり、

  • 郵便物の差し戻し
  • 住民票の情報
  • 居住実態調査(住宅金融支援機構は2019年から実施)

などを通じて発覚するケースもあります。

万が一、無断で賃貸に出していたことが発覚した場合には、ローンの一括返済を求められ、応じられなければ信用情報に事故記録が登録されます。

そのため、「問題ないだろう」と自己判断するのではなく、必ず事前に確認を行うことが重要です。

転勤・海外赴任であれば例外的に認められることがある

一方で、転勤や海外赴任といった「やむを得ない事情」がある場合には、例外的に賃貸が認められるケースもあります。

多くの金融機関では、

  • 転勤命令が出ている
  • 一時的に居住できない状況である
  • 将来的に本人が再び居住する予定がある

といった条件を満たす場合、事前の申請・承認を前提に賃貸を認める運用がとられています。

ただし、承認の可否や条件は金融機関ごとに異なり、

  • 金利条件の変更
  • 返済条件の見直し

などが行われる場合もあるため、個別に確認が必要です。

また、相談のタイミングも重要です。

辞令が出た段階で速やかに金融機関へ連絡し、

  • 転勤先の所在地
  • 赴任期間
  • 賃貸予定の有無

などを正確に伝えておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。

なお、自宅を賃貸に出している期間中は、原則として住宅ローン控除の適用対象外となります。

ただし、転勤などのやむを得ない事情で一時的に居住していない場合には、帰任後に再び居住すれば控除の再適用が認められるケースもあります。

承認が得られない場合は借り換えも選択肢

金融機関から賃貸の承認が得られない場合や、転勤ではなく自己都合による住み替えの場合には、「不動産投資用ローン(事業用ローン)」への借り換えが選択肢となります。

これは、賃貸運用を前提としたローンに切り替える方法であり、契約上も問題なく賃貸経営を行えるようになります。

ただし、この方法には大きな注意点があります。

それが金利の上昇による返済負担の増加です。

不動産投資ローンの金利は年1.0~5.0%(※)と幅が広く、都市銀行で1.5~3%台、ノンバンクで4%台が目安になります。

仮に住宅ローンの変動金利が年0.9%であれば、借り換えだけで月々の返済額が数万円単位で跳ね上がる計算です。

そのため、

  • 家賃収入で返済をカバーできるか
  • 空室時でも返済を継続できるか

といった点を十分にシミュレーションしたうえで判断する必要があります。

また、金融機関の審査基準も住宅ローンとは異なり、物件の収益性や担保評価、本人の属性などが重視されるため、希望通りの条件で借り換えできないケースもあります。

※2026年時点。個別審査のため、年収や物件の担保評価によって提示金利は異なる

4. 自宅を賃貸に出す手順と契約形態の選び方

自宅を賃貸に出すと決めた場合に、単に「貸す」だけではなく、いくつかの手順を踏んで準備を進める必要があります。

また、契約形態の選び方によって今後の運用のしやすさや、帰任時の対応が大きく変わる点にも注意が必要です。

ここでは、実際の流れに沿って、具体的な手順と押さえておくべきポイントを解説します。

住宅ローンの確認・金融機関に相談

最初に行うべきは、住宅ローン契約の内容確認と金融機関への相談です。

前章で解説した通り、住宅ローンは「自己居住」が前提となっているため、無断で賃貸に出すことはできません。

そのため、まずは契約書を確認し、賃貸に出す場合の条件や制限事項を把握したうえで、金融機関に相談します。

この段階で、

  • 賃貸が可能かどうか
  • 必要な手続きや書類
  • 金利や返済条件への影響

といった点を明確にしておくことで、その後の準備をスムーズに進めることができます。

管理を任せる不動産会社を選定する

次に、物件の管理や入居者対応を任せる不動産会社(管理会社)を選定します。

自宅を賃貸に出した場合、日常的な管理業務は継続的に発生します。

特に転勤や海外赴任中の場合、すべてを自分で対応するのは現実的ではないため、多くのケースで管理会社への委託が前提となります。

管理会社を選ぶ際には、以下のような観点を総合的に比較検討することが重要です。

  • 管理委託料とサービス内容のバランス
  • 入居者募集の実績や入居率
  • トラブル発生時の対応スピード
  • 遠方・海外からのオーナー対応実績

特に海外赴任の場合は、「遠隔地からの運用にどれだけ対応できるか」という視点が重要になります。

複数社を比較し、自身の状況に合った管理体制を選ぶことが大切です。

賃料査定を行い、募集条件を決定する

管理会社が決まったら、次に行うのが賃料査定と募集条件の設定です。

賃料は周辺の市場相場や物件の条件をもとに決定されますが、価格設定は入居のスピードや収益性に直結する重要な要素です。

家賃を高く設定すれば収益は上がる可能性がありますが、その分空室期間が長引くリスクがあります。

一方で低すぎる設定は、早期成約にはつながるものの、長期的な収益性を下げてしまいます。

そのため、査定結果をもとにしながら、

  • 空室リスク
  • 周辺の競合物件
  • 物件の強み(立地・設備など)

を踏まえて、バランスの取れた条件設定を行うことが重要です。

契約形態を選ぶ(普通借家か定期借家か)

賃貸運用において重要な判断のひとつが、契約形態の選択です。

一般的な契約形態としては、「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。

契約形態期間満了時家賃水準適した場面
普通借家借主が希望すれば更新相場並み長期的に貸す場合
定期借家契約終了(更新なし)やや低め帰任時期が決まっている場合

特に転勤などで将来的に自宅に戻る予定がある場合は、契約満了で確実に終了する定期借家契約が適しています。

ただし、定期借家契約を有効に成立させるためには、

  • 契約締結前の事前説明
  • 契約満了前の終了通知

といった手続きを適切に行う必要があります。

事前説明とは、「期間満了時に更新がない」旨を書面で借主に伝える手続きです(借地借家法第38条第3項)。

2022年改正により電磁的方法での交付も認められていますが、この説明自体を省くと特約が無効になり、普通借家契約として存続します。

終了通知は、契約期間が1年以上の場合に必要です。

満了の1年前から6カ月前までに借主へ通知しなければ、通知後6カ月間は契約終了を主張できなくなります。

これらに不備があると、契約が普通借家契約として扱われる可能性があり、結果として帰任時に自宅へ戻れないリスクにつながります。

契約内容の理解だけでなく、実務として確実に運用できる体制を整えておくことが重要です。

参考:e-Gov法令検索「借地借家法」

入居者募集・契約締結

募集条件が決まったら、管理会社を通じて入居者の募集を開始します。

その後の流れとしては、

  • 内見対応
  • 入居審査
  • 契約手続き

を経て、契約締結・鍵の引き渡しへと進みます。

多くの場合、これらの手続きは管理会社が代行しますが、オーナーとしても重要事項の確認は欠かせません。

特に、退去時のトラブル防止のためには、入居前の物件状態を写真や動画で記録しておくことが有効です。

設備の状態や傷の有無を明確にしておくことで、原状回復をめぐるトラブルを防ぎやすくなります。

なお、募集から成約までの期間は、一般的に4~5カ月程度かかるとされています。

繁忙期の好条件物件であれば1~2カ月で成約するケースもありますが、転勤が決まったら、できるだけ早めに準備を始めましょう。

5. 自宅を賃貸に出す際にかかる費用と税金

自宅を賃貸に出す場合、家賃収入によるメリットだけでなく、各種費用や税金が発生します。

収支を正しく把握せずに運用を始めてしまうと、「思ったより利益が残らない」といった事態にもつながるため、事前に全体像を理解しておくことが重要です。

ここでは、初期費用・ランニングコスト・税金の3つの観点から整理します。

初期費用と管理費の内訳

まず、賃貸に出す前の段階で発生する主な初期費用には、以下のようなものがあります。

費目目安
ハウスクリーニング3~10万円(間取り・広さによる)
リフォーム・修繕必要に応じて数万~数十万円
仲介手数料家賃の1.1カ月分(税込)が上限。居住用建物は一方から原則0.55カ月分だが、事前承諾があれば1.1カ月分まで可
火災保険料(年額)マンション1室で1~3万円 戸建てで3~8万円(構造・特約で変動)

特に注意したいのは、これらの費用が想定以上にかさむケースがある点です。

物件の状態によっては、入居者募集前に一定の修繕や設備更新が必要になることもあり、初期費用が家賃数カ月分に相当することも珍しくありません。

また、入居開始後は毎月のランニングコストとして、管理委託料が発生します。

一般的な賃貸管理では家賃の3~5%程度、転勤者向けの対応を含む管理では5~10%前後が目安となります。

サービス内容によっては、

  • 入居者対応
  • トラブル対応
  • 定期巡回
  • 退去時の原状回復手配

などが含まれますが、対応範囲は会社によって大きく異なるため、費用だけでなくサービス内容の比較が重要です。

確定申告と不動産所得の考え方

家賃収入を得た場合、その収入は「不動産所得」として扱われ、原則として確定申告が必要になります。

不動産所得は、次のように計算されます。

年間の家賃収入-必要経費=課税対象となる所得

必要経費として計上できる主な項目には、以下があります。

  • 管理委託料
  • 修繕費
  • 固定資産税
  • 減価償却費
  • ローン利息(元本部分は対象外)
  • 火災保険料

たとえば、年間の家賃収入があっても、これらの経費を差し引くことで課税対象額は大きく変わります。

そのため、単純な「家賃収入=利益」ではない点に注意が必要です。

なお、年末調整済みの給与所得者で給与収入が2,000万円以下の場合、給与・退職所得以外の所得合計が年間20万円以下であれば所得税の確定申告は不要です。

ただし住民税の申告は別途必要なため、自治体の窓口で確認してください。

参考:国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」

固定資産税など継続的に発生する費用

自宅を賃貸に出した場合でも、固定資産税や都市計画税の納税義務は引き続き所有者にあります。

これらの税金は、入居者に直接請求することはできないため、家賃収入から差し引いて考える「固定費」として捉える必要があります。

固定資産税は通常、課税標準額×標準税率1.4%で計算されます(自治体により異なる場合あり)。

都市計画税も対象地域であれば別途課税されます。上限は0.3%で、市街化区域内の土地・家屋が対象です。

住宅用地には固定資産税の課税標準が1/6または1/3に、都市計画税の課税標準が1/3または2/3に軽減される特例もあるため、毎年の納税額を事前に確認し、収支計画に組み込んでおくことが重要です。

6. 自宅を賃貸に出す際によくある質問

ここでは、自宅を賃貸に出す際に多くの方が抱く疑問について、実務的な視点から整理します。

これまでの内容の補足としてご確認ください。

住宅ローンが残っていても賃貸に出せる?

転勤や海外赴任などのやむを得ない事情がある場合、金融機関の承認を得ることで賃貸に出せるケースが一般的です。

ただし、住宅ローンは「自己居住」が前提となっているため、無断で賃貸に出すことは契約違反となる可能性があります。

そのため、必ず事前に金融機関へ相談し、必要な手続きを行うことが重要です。

確定申告は必要?

家賃収入を得た場合、不動産所得として原則確定申告が必要です。

ただし、給与所得者で一定の条件を満たす場合、経費控除後の不動産所得(=収入−必要経費)が20万円以下であれば所得税の確定申告は不要となるケースもあります。

一方で、住民税の申告は別途必要となるため、自治体のルールを確認しておきましょう。

海外赴任中の自宅管理はどうすればいい?

海外赴任中は、物理的な距離や時差の影響もあり、自分で物件を管理するのは現実的ではありません。

そのため、多くの場合は不動産管理会社へ委託する形になりますが、管理範囲や対応内容によっては、

  • トラブル時の迅速な対応が難しい
  • 原状回復や退去対応の品質に差が出る

といった課題が生じることもあります。

特に転勤者の場合、「戻る前提で貸す」という特有の事情があるため、通常の賃貸管理とは異なる対応が求められるケースも少なくありません。

どのタイミングで準備を始めるべき?

一般的には、入居者募集から契約成立までに数カ月程度かかるケースもあります。

そのため、転勤辞令が出た時点で、

  • 金融機関への相談
  • 管理会社の選定

といった準備を早めに進めることが重要です。

直前での対応になると、賃料設定や契約形態の選択の幅が狭まり、結果として条件の悪い契約になってしまう可能性もあります。

まとめ|自宅を賃貸に出すなら「管理体制」まで含めて検討を

自宅を賃貸に出すことで、家賃収入による負担軽減や資産の有効活用といったメリットが得られる一方、空室リスクや契約上の制約、管理業務の負担など、多くの検討ポイントがあることがお分かりいただけたかと思います。

特に海外赴任の場合は、

  • 現地から迅速に対応できない
  • 入居者対応やトラブル対応が難しい
  • 帰任時に確実に自宅へ戻れるか不安が残る

といった課題が重なりやすくなります。

そのため、「賃貸に出すかどうか」だけでなく、“どのように管理するか”まで含めて検討することが、後悔しない判断につながります。

海外赴任中の自宅管理に課題を感じている場合は、専門サービスの活用も有効な選択肢です。

リロケーション・ジャパンの「留守宅管理サービス」では、長年の運営で培った豊富な実績をもとに、

  • 入居者募集・契約対応
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転勤者特有の「戻る前提で貸す」という条件にも対応しており、安心して賃貸運用を行える体制が整っています。

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