福利厚生の差別化や従業員エンゲージメント向上が重要視される中、リゾート会員権を活用した保養制度を導入する企業が増えています。

リゾート会員権は、自社保養所を保有することなく、全国のリゾート施設を会員向け料金で利用できる仕組みです。

固定資産を持たずに福利厚生を強化できることから、コスト効率の高い施策としても注目されています。

本記事では、リゾート会員権の仕組みや費用、メリット・デメリットに加え、法人導入時に押さえておきたいポイントを解説します。

1.リゾート会員権が企業から注目される理由

近年、企業の福利厚生や役員向けの保養制度として「リゾート会員権」を導入するケースが増えています。

背景には、働き方の多様化に伴い、従業員が「休暇の質」を重視するようになったことがあります。

また、企業側にとっても、採用競争力の強化や従業員満足度の向上といった観点から、固定資産を持たずに高品質なリゾート施設を利用できる仕組みが評価されています。

こうしたニーズの高まりを受け、会員制リゾート市場は安定的に推移しており、福利厚生としての活用も広がっています。

ここからは、なぜリゾート会員権が企業にとって有効な選択肢となり得るのか、その背景と仕組みを詳しく見ていきます。

「所有」から「シェア」へ──企業の福利厚生ニーズの変化

かつて企業の保養といえば、別荘や自社保養所を「所有する」ことが一般的でした。

しかし、別荘を所有するには、土地・建物の購入費用だけでなく、固定資産税・管理費・修繕費など、年間数十万円以上のコストがかかり、利用頻度が低いほど費用対効果が悪化します。

こうした背景から、必要なときだけ高品質な施設を利用できる“シェア型”の会員制リゾートが注目されるようになりました。

複数の会員で施設を共有するため、別荘所有に比べて初期費用・維持費を大幅に抑えられ、企業の福利厚生としても導入しやすい仕組みです。

また、矢野経済研究所の市場調査によると、会員制リゾート市場は安定的に推移しており、企業の保養制度や福利厚生施策の選択肢として関心が高まっています。

“所有からシェアへ”という価値観の変化が、リゾート会員権の普及を後押ししているといえます。

会員制リゾートで得られる4つの価値

リゾート会員権を導入することで、企業は次のような価値を享受できます。

価値内容
高級リゾートを会員価格で利用できる一般料金よりも割安で、役員保養・社員旅行・研修など幅広い用途に活用できる。
清掃・修繕などの維持管理が不要清掃・メンテナンス・修繕はすべて運営側が対応。別荘のように管理の手間がかからず、企業側の負担がゼロ。到着後すぐにくつろげる。
全国の施設を横断利用できる1つの場所に縛られず、季節・目的・参加者に合わせて最適な施設を選べる。
会員優先で予約でき、混雑を避けやすい一般客の利用を制限している施設も多く、繁忙期でも比較的予約が取りやすい仕組みが整っている

これらの価値は、別荘のように「所有する」場合には得られないメリットです。

企業にとっては、固定資産を持たずに福利厚生を強化できる点が大きな魅力であり、採用力向上や従業員満足度の向上にもつながります。

所有権型・利用権型・ポイント制の違い

リゾート会員権はいくつか契約形態があり、仕組みや費用構造、利用の自由度が大きく異ります。

企業が導入を検討する際は、どのタイプが自社の利用目的に合うかを理解しておくことが重要です。

ここでは代表的な3つのタイプを整理します。

タイプ仕組みの特徴代表的なサービス
所有権型(共有制)リゾート施設の不動産を会員同士で共有し、持分を登記する形式。年間の利用日数が割り当てられる。不動産としての資産性があるが、維持コストは比較的高め。東急ハーヴェストクラブ、エクシブなど
利用権型(預託制・入会金制)不動産は購入せず、施設を利用する権利のみを取得する形式。初期費用を抑えやすく、税負担も軽いバランス型。預託金が退会時に返還されるケースもある。ダイヤモンドソサエティ、セラヴィリゾート泉郷など  
ポイント制毎年付与されるポイントを使い、好きな施設・日程で予約する形式。平日利用が多い企業ほど費用対効果が高く、研修やワーケーションなど法人利用との相性が良い。リロバケーションズなど

所有権型は不動産としての資産性がある反面、固定資産税や登記費用が発生します。

利用権型は初期費用を抑えやすく、税負担も軽い傾向にあります。

ポイント制は利用の柔軟性が最大の特徴で、繁閑に応じてポイント消費量が変わる仕組みのため、平日中心の利用なら効率よく使えます。

2.リゾート会員権にかかる費用のリアル

リゾート会員権は、別荘のように固定資産税や管理費が毎年かかるわけではなく、必要なときに必要な分だけ費用が発生する“従量型”の仕組みが特徴です。

そのため、長期的な維持コストを抑えられる点で、別荘よりも費用負担を軽減できるケースが多くあります。

一方で、入会時にはまとまった初期費用が必要になるため、初期費用だけを見て判断すると、実態より高く感じてしまうこともあります。

企業が導入を検討する際は、初期費用だけでなく、年会費・宿泊料・税金(所有権型のみ)などを含めた「トータルコスト」で比較することが重要です。

ここでは、リゾート会員権にどのような費用がかかるのか、タイプ別の特徴とあわせて具体的に見ていきます。

リゾート会員権の初期費用はどれくらい?法人導入時の相場と注意点

リゾート会員権の初期費用は、契約形態や施設グレードによって大きく幅があります。

特に法人が導入する場合は、役員利用・社員利用・研修利用など用途が多岐にわたるため、「費用対効果がどれほど見込めるか」を冷静に判断する必要があります。

近年の中古市場の動向を見ると、リゾート会員権仲介大手のe会員権がまとめた2025年の月次データでは、取引される会員権の平均価格は320万〜350万円前後で推移しており(日本経済新聞報道)、一定の価格帯で安定しています。

タイプ別の初期費用の目安は以下のとおりです。

タイプ初期費用の目安
所有権型(共有制)数百万〜1,000万円超。
不動産として登記するため資産性があるが、諸費用(登記費用・名義変更料等)も多い
利用権型(入会金制)100万〜数百万円。
不動産を持たないため初期費用を抑えやすい
ポイント制200万〜数百万円。
利用の柔軟性が高く、宿泊時の追加料金が不要なサービスもある

超高級ラインでは数千万円規模になる会員権も存在する一方、中古市場では数十万円台で取得できるケースもあります。

ただし、初期費用だけで判断すると「高い」と感じやすく、実際の利用価値を見誤るリスクがあります。

法人が導入する場合は、

  • 利用頻度
  • 利用者層(役員・従業員・家族)
  • 福利厚生としての訴求力

を踏まえ、「初期費用 ÷ 想定利用回数」で実質単価を算出して比較することが重要です。

年会費・宿泊料・税金など、見落としやすいランニングコスト

リゾート会員権は「会員だから無料で泊まれる」という仕組みではありません。

入会後に継続的に発生する費用を正しく理解しておくことが、法人導入の成功を左右します。

主なランニングコストは以下のとおりです。

費用項目目安補足
年会費数万円〜十数万円クラブやプランにより幅がある
宿泊利用料1室1泊あたり数千円〜4万円施設グレード・時期で変動
固定資産税(所有権型)物件により異なる不動産所有に伴う税負担
名義変更料30万円前後中古購入・譲渡時に発生
不動産取得税(所有権型)購入後2〜3ヶ月で課税所有権型特有の税金

所有権型は税負担が大きくなるため、法人税務上の扱いも含めて事前に確認しておく必要があります。

一方、利用権型やポイント制は不動産を持たないため、税金が発生せず、ランニングコストの予測が立てやすい点が法人導入に向いています。

特に総務・人事部門では、

  • 年間利用回数
  • 想定宿泊単価
  • 利用者の満足度

を踏まえ、「年会費+宿泊料=年間の実質コスト」を算出しておくと、導入後のギャップを防げます。

別荘購入と比較したときのコストメリット

リゾート会員権の費用メリットを理解するには、別荘所有との比較が最もわかりやすい方法です。

別荘を所有する場合、固定資産税・管理費・修繕積立金・光熱費・火災保険などを合計した年間維持費は60万円以上が一般的とされ、利用しない年でも同額が発生します。

以下は別荘と会員制リゾートの比較です。

費目別荘会員制リゾート
初期費用数千万円(土地+建物)数十万〜数百万円(会員権+諸費用)
年間維持費60万円以上数万〜十数万円(年会費+宿泊料)
利用しない年のコスト維持費は全額発生年会費のみ(ポイント制は繰越可能)
管理の手間換気・通水・草刈り等など必要不要(運営会社が管理)

仮に年間維持費60万円で30年間保有すると、維持費だけで1,800万円。

別荘の購入費用を加えると、総額はさらに膨らみます。

一方、会員制リゾートは「使った分だけ費用が発生する」従量型のため、

  • 利用頻度が少ない企業
  • 役員・社員の利用にばらつきがある企業

ほど、別荘よりもコストメリットが大きくなります。

また、近年は福利厚生の利用実態を可視化し、従業員満足度の向上とコスト最適化を両立したい企業が増えているため、固定資産を持たない会員制リゾートの需要が高まっています。

ポイント制リゾート会員権は法人利用と相性が良い理由

リゾート会員権の中でも、ポイント制は法人利用との相性が最も良いといわれています。

理由は、コスト構造と利用の柔軟性にあります。

■ポイント制の特徴

  • 毎年付与されるポイントを使って施設を予約
  • 繁忙期は必要ポイントが高く、閑散期は低い
  • 使わなかったポイントを翌年に繰り越せるクラブもある
  • 宿泊時に追加料金が不要なサービスもある

つまり、

「入会金+年会費」=ほぼ固定費

「ポイント消費」=宿泊費

というシンプルな構造で、長期的なコスト見通しが立てやすい点が法人に向いています。

特に法人の場合、

  • 平日利用が多い
  • 研修・ワーケーションなど多目的利用がある
  • 利用者が複数部署にまたがる

といった特徴があるため、ポイント制の柔軟性が大きなメリットになります。

また、平日利用が中心の企業では、

「少ないポイントで多く泊まれる」=実質単価が下がる

という構造が働き、コストパフォーマンスがさらに高まります。

3. リゾート会員権のメリットとデメリットを正しく理解する

リゾート会員権は、企業の福利厚生や役員向け保養制度として高い価値を発揮する一方、契約形態や利用ルールを理解しないまま導入すると「思っていたのと違う」というギャップが生じることがあります。

ここでは企業が導入前に必ず押さえておきたいメリットとデメリットを整理し、後悔しないための対策まで踏み込んで解説します。

全国の高品質リゾートを柔軟に利用できる利便性

リゾート会員権の大きな魅力は、全国の複数施設を会員価格で利用できる点です。

別荘のように「同じ場所に固定される」ことがなく、季節・目的・利用者層に応じて最適な施設を選べます。

  • 役員の静養
  • 従業員の福利厚生
  • 家族利用
  • 研修・ワーケーション

など、法人利用の幅が広い点も特徴です。

また、コンドミニアム型の広い客室を選べば、1室単位の料金を人数で割ることで1人あたりの実質コストを大幅に抑えることも可能です。

実際、株式会社ネクストレベルが運営する「ミライのお仕事」の『2024年版 本当に欲しい福利厚生ランキング』では、「旅行や宿泊施設の割引」が上位5位にランクインしており、宿泊・レジャー関連の福利厚生への関心の高さがうかがえます。

こうした背景から、企業では従業員満足度向上や採用力強化を目的として、会員制リゾートなどを活用した保養制度を導入する動きが広がっています。

管理の手間がゼロで、企業側の負担が最小化

別荘を所有すると、掃除・換気・草刈り・修繕・災害時の確認など、維持管理の負担が常に発生します。

一方、会員制リゾートでは、清掃・メンテナンス・修繕はすべて運営会社が対応するため、企業側の負担はゼロ。

  • 到着した瞬間から快適に利用できる
  • 退出後の清掃も不要
  • 災害時の建物確認も運営側が実施

といった点は、総務・人事部門にとって大きなメリットです。

特に法人の場合、管理業務に人的リソースを割くことは難しいため、「行くだけで利用できる」手軽さは導入効果を高める重要な要素といえます。

繁忙期の予約競争や売却時のリスクは事前確認が必須

メリットが多い一方で、リゾート会員権には注意すべきポイントも存在します。

繁忙期の予約が取りにくい場合がある

会員数の多いクラブでは、お盆・年末年始・ゴールデンウィークなどの繁忙期に予約が集中し、希望日に利用できないケースがあります。

契約前には、「繁忙期の予約実績」や「法人利用枠の有無」を必ず確認しておくことが重要です。

売却時の流動性リスク

リゾート会員権は中古市場で値下がりしやすく、入会金制・ポイント制の会員権は資産性がほとんどないため、退会時に返金がないケースもあります。

そのため、「売却益を期待する」のではなく、「利用価値で元を取る」という考え方が基本です。

使わなくなったときの出口戦略を準備する

企業が導入する場合、利用頻度の変化に備えた出口戦略も重要です。

従業員構成の変化や働き方の変化により、利用が減る可能性は常にあります。

利用しなくても年会費は固定費として発生し続けるため、「契約前」と「契約後」の両面で備えておくのが得策です。

契約前にできる対策

  • 体験宿泊の活用
    実際の施設を確認でき、従業員満足度の事前予測がしやすい。
  • 短期会員制度の利用
    1〜3年の短期プランがあるクラブなら、長期契約のリスクを抑えられる。

特に体験宿泊は、パンフレットや営業トークだけではわからない「実際の居心地」を確認できる貴重な機会です。

契約前に必ず足を運ぶことをおすすめします。

契約後にできる対策

  • ポイント繰越制度の活用
    利用できない年があっても損失を最小化できる。
  • 退会条件の事前把握
    名義変更料・退会手続き・譲渡可否などは必ず確認。

4.まとめ|自分に合ったリゾート会員権を見つけるために

リゾート会員権は、別荘にはない柔軟性とコスト効率を兼ね備え、福利厚生の質を高める有力な選択肢です。

導入前に押さえておきたいポイントは以下の5つです。

  1. 契約形態(所有権型・利用権型・ポイント制)の違い
  2. 初期費用・年会費・宿泊料を含めた総コスト
  3. 予約の取りやすさと利用自由度
  4. 施設の立地・客室タイプ・設備
  5. 退会条件や譲渡可否などの出口戦略

特に法人利用との相性が良いのはポイント制で、

  • 平日利用が多い
  • 研修・ワーケーションなど多目的利用がある
  • 部署横断で利用者が発生する

といった企業の利用実態にフィットします。

法人利用に強いポイント制リゾートとして代表的なのがリロバケーションズの「法人向け会員制リゾートクラブ」です。

全国50ヶ所以上の施設を展開し、コンドミニアム型の広い客室やペット同伴可能な施設など、企業の多様な利用ニーズに対応しています。

「福利厚生を強化したい」
「役員・従業員が満足する保養制度を整えたい」

そんな企業にとって、まず検討すべき選択肢といえるでしょう。

導入前には、実際の施設を体験できるプランも用意されています。

まずは詳細を確認し、自社に合うかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。

▼リロバケーションズ「法人向け会員制リゾートクラブ」の詳細はこちら