「健康経営」とは、経済産業省の定義によると「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」とされています。健康管理を“コスト”ではなく“未来への投資”と捉えて取り組むことが重要なポイントで、従業員への健康投資は活力向上や生産性向上をもたらし、結果的に業績向上につながると期待されています。
健康経営が注目される中で、国としてその普及を後押しするために設けられたのが「健康経営優良法人認定制度」です。この制度は、健康経営に積極的に取り組む企業や団体を公的に評価し、社会的評価を受けられる仕組みとして2017年度から運用が始まりました。
認定を受けた企業は、採用活動や広報での信頼性向上に加え、自治体や金融機関からのインセンティブを受けられる場合もあり、認定を目指す企業は年々増えていますが、いざ取り組もうとすると、「認定項目の膨大さ」「形骸化する施策」「管理担当者の業務過多」といった高い壁に直面する担当者も少なくありません。「認定を取ること」自体が目的化し、本来の「従業員の健康増進」がおろそかになってしまっては本末転倒です。
本記事では、健康経営優良法人(認定)の本来のメリットを今一度整理するとともに、「認定取得」と「実効性の高い健康経営」の両方を実現するためのノウハウについても徹底解説します。
目次
1. 健康経営優良法人(認定)を目指すべき理由と、現代の企業が直面する「認定の壁」
健康経営優良法人の認定は、単なる「称号」ではありません。企業が従業員の健康に本気で向き合い、持続的な成長を目指す姿勢を示す“社会的な証明”です。
しかし、認定を目指す企業が増える一方で、基準は年々高度化し、取り組みのハードルも上がっています。
ここからは、健康経営の価値と、多くの企業が直面する課題をより深く掘り下げていきます。
1-1. 健康経営が「コスト」ではなく「投資」である理由
かつて、従業員の健康管理は「個人の責任」あるいは「法令遵守のためのコスト」と捉えられがちでした。しかし、労働力不足が深刻化する中、その認識は劇的に変化しています。
- 理由①:不調による損失(プレゼンティーズム)は想像以上に大きい
体調不良のまま働くことで生産性が低下する「プレゼンティーズム」は、欠勤よりも企業損失が大きいと言われています。従業員の健康管理は、この目に見えにくい損失を大幅に削減します。
- 理由②:離職率の低下は採用コスト削減に直結
従業員が健康で働きやすい環境は、離職防止に直結します。採用・育成にかかるコストを考えれば、健康経営は十分に“投資回収”が可能です。
- 理由③:企業価値の向上は長期的な利益につながる
健康経営は、企業ブランドやESG評価にも影響します。投資家・取引先・求職者からの信頼を高め、長期的な企業価値向上につながります。
1-2. 採用・定着・生産性に直結する健康経営の4大メリット
健康経営優良法人の認定を受けることで、企業は具体的にどのようなメリットを享受できるのでしょうか。主なメリットは以下の4点に集約されます。
- 採用力の向上
求職者が企業を選ぶ際、「働きやすさ」や「従業員を大切にする会社か」は重要な判断軸です。認定法人として公表され、ロゴマークが利用できるようになれば、採用広報でも説明しやすく、採用競争力が高まります。
- 定着率の改善
健康施策の充実は、従業員の満足度やエンゲージメント向上につながります。結果として離職率が下がり、組織の安定性が高まります。
- 生産性の向上
心身の不調による欠勤や、出勤していてもパフォーマンスが低下している状態を改善することで、生産性向上が期待できます。健康状態は集中力・判断力・創造力に直結するため、健康投資は企業全体のパフォーマンス向上に大きく貢献します。
- 金利優遇などのインセンティブ
認定により、自治体の公共工事・入札での加点、補助金・助成金審査時の優遇を受けられる場合があります。また、銀行や信用金庫から金利の引き下げや優遇された保証料率での融資が受けられるほか、保険会社による保険料の割引措置などのインセンティブ対象になる場合もあります。よって健康経営の推進は、資金調達の負担軽減や地域内での評価向上につながります。
1-3. 多くの企業が挫折する「認定要件」と「運用負荷」のジレンマ
健康経営優良法人の認定を目指す企業が増える一方で、取り組みはしているのに認定に届かない企業や、継続的な認定取得やランクアップに苦戦する企業は少なくありません。その背景には次のような“ジレンマ”があります。
- 認定要件の高度化
制度開始当初に比べ、求められる取り組みは確実にレベルアップしています。特に大規模法人では、データに基づく健康課題の分析・経営層のコミットメント・施策の効果検証など、より戦略的な取り組みが必須です。
- 中小企業にとっての運用負荷
中小企業では、「担当者が兼務で時間が取れない」「健康施策の企画・運用ノウハウが不足」「データ管理の仕組みが整っていない」といった理由で、取り組みが進みにくい現状があります。
- 施策が“点”で終わり、戦略につながらない
「ストレスチェックを実施しただけ」「健康アプリを導入したが誰も使っていない」といった声も多く、施策が形骸化しがちです。課題分析や効果測定が行われず、認定基準に届かないケースも増えています。
認定を取得すること自体が目的化すると、本来の価値を見失ってしまいます。従業員が自発的に参加し、楽しみながら健康になれる仕組みを作らなければ、真の健康経営とは言えません。
その過程で認定制度を“成長の指標”として活用することが、これからの企業に求められています。
2. 福利厚生代行サービス活用による「生きた健康経営」を実現する企業が増加

健康経営の推進にあたって「施策の形骸化」や「担当者の事務負荷の大きさ」は多くの企業を悩ませています。特に総務・人事部門は限られた人数で多岐にわたる業務を担っており、健康施策の企画・運用・効果測定までをすべて内製化するのは現実的に難しいケースもあるでしょう。
こうした背景から近年は、リロクラブが運営する「福利厚生倶楽部」をはじめとした、福利厚生代行サービスを活用し、事務負担を軽減しながら「生きた健康経営」の基盤づくりを進める企業が増えています。
ここでは福利厚生代行サービスが、企業の健康経営にどのような影響を及ぼすのかを説明します。
2-1.施策運用の事務負担を大幅に軽減
健康診断の予約管理、ストレスチェックの実施、健康施策の告知や参加状況の管理、業者との精算など、健康経営には細かな事務作業がつきものです。
しかし代行サービスを導入することで、これらの業務を外部に任せられ、担当者は企画や戦略立案といった“本来注力すべき業務”に時間を割けるようになります。
また、会員サイトやアプリを活用し、従業員が自分で探して使う導線を設計することで、担当者は制度の案内や全体管理に注力し、個別対応に忙殺されにくくなります。
2-2.施策の形骸化を防ぎ、継続性を高める
健康経営は「続けること」が成果につながります。しかし、担当者の異動や繁忙期などで施策が止まってしまうことも珍しくありません。
代行サービスを活用すれば、運用の属人化を防ぎ、継続的に施策を回せる体制を構築できます。結果として、従業員の参加率向上や健康意識の定着にもつながります。
「制度を入れても使われない」という課題に対しては、アプリやインセンティブ設計が有効です。健康づくりを支援するスマートフォンアプリにより、従業員それぞれの健康管理だけでなく、組織の健康状態を管理・分析することも可能です。
また、利用の促進にはポイント付与が実務上、非常に効果的です。オフィス家具や空間デザインの老舗メーカーの導入事例では、従業員に半期に一度3,000ポイントを付与することで、利用率向上の牽引役になったとの記載があります。
このように「行動→小さな報酬→継続」の導線を作ることで、「得する」から「使う・続ける」に変わりやすくなります。参加ハードルを下げ、続けたくなる設計にすることが重要です。
2-3. 専門知見を活かした施策設計が可能に
健康経営のトレンドや法改正、助成金制度など、最新情報をキャッチアップするのは容易ではありません。
しかし福利厚生代行業者に頼ることで、健康施策の専門家が最新の知見をもとにプログラムを提案してくれるため、自社だけでは思いつかない施策や効果的なアプローチを取り入れやすくなります。
2-4. データ活用による効果測定がしやすくなる
健康経営の成果を可視化するには、参加率や健康診断結果、ストレスチェックの傾向など、複数のデータを統合して分析する必要があります。
代行サービスの多くはデータ管理やレポート機能を備えており、施策の効果を定量的に把握し、改善につなげるサイクルを回しやすくなります。
2-5. 従業員の満足度向上と健康リテラシーの底上げ
代行サービスを活用することで、従業員が使いやすいポータルサイトやアプリを提供できるケースも多く、「使いやすい」「選択肢が多い」などの満足度向上につながります。
結果として、健康施策への参加意欲が高まり、企業全体の健康リテラシー向上にも寄与します。
3. 認定評価を“確実に積み上げる”ための健康経営ソリューション活用術
健康経営優良法人の認定取得に向けて、企業が取り組むべき項目は年々高度化しています。
中でも「データに基づく健康課題の把握」「女性の健康支援」「健診体制の整備」といった領域は、認定要件との紐づきが強く、評価を積み上げやすいポイントです。
ここでは認定要件に絡みやすい3つのテーマごとに、福利厚生代行サービスを活用して評価を積み上げる方法を解説します。
3-1. 健診データの一元管理で、認定に必須の“健康課題の把握”を効率化する
健康経営優良法人の認定では、健康診断受診率の把握や再検査・精密検査の受診勧奨、健康課題の分析など、データに基づく健康管理体制の構築が求められます。
しかし、健診結果は医療機関ごとにフォーマットが異なり、紙・PDF・CSVなどの形式もバラバラです。担当者が手作業で集計するには限界があります。
代行サービスを活用すれば、以下のようなことが実現できます。
・健診データの自動取り込み・自動集計
・部署別・年代別の健康課題の可視化
・再検査対象者への自動リマインド
などが実現でき、担当者は「集計作業」ではなく「改善施策の企画」に時間を使えるようになります。また、データに基づくPDCAを回している企業として、認定評価でもプラスに働きやすい点も大きなメリットです。
3-2. 女性の健康支援を制度化し、重点評価項目を確実にクリアする
近年、女性特有の健康課題は企業の重要テーマです。認定制度でも、女性特有の健康課題への対応が明確に評価項目として組み込まれています。
社内だけで制度設計・運用・情報提供を行うのは難しく、専門知識も必要ですが、「婦人科検診の補助制度や予約支援」「女性の健康に特化したオンラインセミナーの提供」「生理・妊活・更年期に関するeラーニングの導入」といった外部サービスを組み合わせることで、「女性の健康支援に体系的に取り組んでいる企業」として認定評価を受けやすくなるでしょう。
また、女性従業員の離職防止やエンゲージメント向上にもつながり、人的資本経営の観点でもメリットが大きい領域です。
3-3. 健診運営の外部委託で、受診率100%と再検査フォローを実現しやすい体制へ
健康診断は健康経営の最も基本的な取り組みであり、認定要件でも「受診率100%」が求められます。しかし実際には、受診日程の調整・受診対象者への周知・未受診者へのフォロー・医療機関とのやり取り・結果データの回収など、担当者の負担は非常に大きいのが実情です。
代行サービスを活用すれば、以下の業務を外部に任せられます。
・健診予約および結果データの一括管理
・受診案内・リマインドの自動化
・医療機関との調整業務の代行
・労働基準監督署への報告書類の作成・提出業務の代行
などが実現でき、担当者は煩雑な事務作業から解放され、認定取得に必要な「受診率100%」「再検査の受診勧奨」などの項目もクリアしやすくなります。
まとめ
健康経営の推進は、今や企業の存続と発展に欠かせない「投資」です。そして、形だけの制度にせず、実効性のある「生きた制度」にするためには、運用負荷を抑えつつ従業員が楽しみながら参加できる仕組みが不可欠です。
これから健康経営優良法人の認定を目指す企業にとって、まずは自社の現状と課題を客観的に把握することが第一歩です。
そのうえで、内製化が難しい場合や、本来注力すべき業務に時間を割きたい場合は、福利厚生代行サービスを選択肢の一つとして検討してはいかがでしょうか。
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