近年、福利厚生の中でも「宿泊型福利厚生」が注目を集めています。

従業員が全国の宿泊施設やリゾートをお得に利用できる本制度は、リフレッシュやワークライフバランスの向上につながり、企業の魅力を高める施策として導入する企業が増えています。

一方で、利用率やコスト面など、導入前に知っておきたい注意点も少なくありません。

本記事では、宿泊型福利厚生を導入するメリット・デメリット、そして効果的に活用するためのポイントを分かりやすく解説します。

1.宿泊型福利厚生を導入するメリット

宿泊型福利厚生は、従業員やその家族・友人が宿泊施設を利用できる制度で、給与や手当とは異なる形で価値を提供できます。

また、法人契約による優先利用や割引があるため、コストを抑えつつ福利厚生の充実を図れることから、注目を高めてきました。

ここでは、宿泊型福利厚生を導入することで得られる具体的なメリットや活用シーンについて解説します。

リフレッシュやワークライフバランスの向上

宿泊型福利厚生は、文字通り従業員が宿泊施設を利用できる制度です。

リゾートやホテルでの滞在を通じて日常業務から離れた時間を過ごすことができ、心身のリフレッシュやストレス解消に役立ちます。

厚生労働省の調査でも、休暇取得と心身の健康には相関があることが示されています(厚生労働省「仕事と生活の調和レポート」より)。

さらに、企業が宿泊費の一部を負担したり、予約手続きを簡略化したりすることで、従業員は通常よりも少ない負担で旅行を楽しめるため、制度としての満足度が高まりやすいという特徴があります。

「気軽に旅行できる」
「休みの日をリゾートで過ごせる」
など、ワークライフバランスの向上にも寄与するでしょう。

家族と一緒に利用できるプランや長期滞在が可能な施設を選べば、プライベートの充実にもつながり、より大きなリフレッシュ効果が期待できます。

従業員満足度が向上する

宿泊型福利厚生は、従業員に「自分にとって得な制度」と感じてもらいやすい施策です。

給与や賞与とは異なる“体験価値”を提供できるため、従業員の満足度向上に直結します。

家族帯同や友人との利用が可能な施設であれば、プライベートの充実にもつながり、企業への信頼感や愛着を高める効果も期待できます。

結果として、長期的な定着離職率の低下にも寄与するのです。

採用力・定着率の向上

宿泊型福利厚生の導入は、優秀な人材の採用や定着にも大きく寄与します。

福利厚生の充実は、採用活動において競合他社との差別化ポイントとなります。

特に若年層はワークライフバランスを重視する傾向が強く、宿泊型福利厚生は魅力的に映ります。

また、従業員が安心して休暇を取得し、家族との時間を確保できる環境は、日々の仕事へのモチベーション維持や長期的な雇用継続にもつながるでしょう。

宿泊型福利厚生を適切に運用することで、給与や賞与だけでは伝えきれない「働きやすさ」「従業員思いの企業」というメッセージを従業員に示す効果も期待できます。

給与以外の形で価値を還元できる

宿泊型福利厚生は、現金支給とは異なり、従業員に“旅行という体験”を提供できる点が大きな魅力です。

実際に宿泊施設を利用することで得られる満足感は高く、従業員にとって印象に残りやすい福利厚生になります。

また、企業側にとっても現金支給とは異なる形で福利厚生を提供することで、制度によっては社会保険料や税務上の扱いが変わります。結果的にコストを抑えられるケースもあります。

こうした点から、宿泊型福利厚生は「従業員に喜ばれやすく、企業側も運用しやすい」バランスの良い制度といえます。

企業担当者は、給与だけでは伝えきれない「従業員への感謝」や「働きやすい環境づくりへの姿勢」を宿泊型福利厚生を通じて具体的に示すことで、従業員の満足度を高め、企業としての魅力を強化することが可能です。

2.宿泊型福利厚生を導入するデメリット

宿泊型福利厚生には多くのメリットがありますが、制度として長く活用していくためには、デメリットや注意点も理解しておく必要があります。

ここでは、企業が特に見落としがちなポイントを詳しく解説します。

コストがかかる

宿泊型福利厚生の導入・運用には、初期費用・年間利用料・更新費用など、一定のコストが発生します。

契約する施設の種類や利用プランによっては、年間で数十万円〜数百万円規模の費用が必要になるケースもあり、長期的な負担を見据えた検討が欠かせません。

また、利用頻度の低い従業員が多い場合でも契約料は発生するため、制度が“宝の持ち腐れ”になってしまうリスクもあります。

さらに、予約管理や利用者対応、社内周知など、運用に伴う間接コストも無視できません。担当者の工数が増えることで、他業務に影響が出る可能性もあります。

制度を継続的に運用するためには、利用率の見込み・従業員ニーズ・予算のバランスを踏まえた慎重な判断が求められます。

人気シーズンだと予約が取りづらい

宿泊型福利厚生を導入する際のデメリットの一つが、繁忙期や人気シーズンにおける予約の取りづらさです。

年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みなどは利用希望が集中しやすく、希望通りに宿泊できないケースが発生します。

特に家族帯同での利用を希望する従業員にとっては、

  • 人数制限
  • 部屋タイプの制限
  • 予約開始時期の競争

など、ハードルが高くなりがちです。

予約を取りづらい状況が続くと、「せっかく福利厚生があるのに使えない」という不満につながり、制度そのものへの信頼低下の恐れがあります。

そのため、企業側は予約の取りやすさや空室確保の仕組み・繁忙期の対応力などを事前に確認しておくことが重要です。

従業員のニーズに合わないと不満になりやすい

宿泊型福利厚生は、従業員のライフスタイルや価値観によって評価が大きく分かれます。

例えば、

  • 単身者は「近場で気軽に使える施設」を好む
  • 家族持ちは「広い部屋・子ども向け設備」を重視
  • アクティビティ重視の層は「リゾート地」を好む
  • 出張が多い層は「ビジネスホテルの割引」を求める

など、ニーズは多様です。

そのため、特定の層に偏った施設ラインナップだと、「自分には使いづらい」「家族向けばかりで独身者にはメリットがない」といった不満が生まれやすくなります。

制度が形骸化しないためには、従業員の属性・利用目的・希望エリアを把握したうえで、幅広いニーズに対応できる仕組みを整えることが重要です。

3.宿泊型福利厚生の主なタイプ

宿泊型福利厚生には複数の契約形態があり、企業の規模や従業員構成によって適したタイプが異なります。

ここでは、宿泊型福利厚生の代表的なタイプについて整理し、メリット・デメリットを含めた概要を解説します。

提携宿泊サービス(パッケージサービス)

提携宿泊サービス(パッケージサービス)は、企業が宿泊サービス提供会社と契約し、その会社が提携しているリゾートやホテルを従業員が一定の条件で利用できる福利厚生の形態です。

宿泊料金や利用プランがあらかじめパッケージ化されており、企業は契約内容に応じて従業員へ利用権を付与します。

この方式の大きな特徴は、初期費用が比較的低く、契約や管理がシンプルで導入しやすい点です。

また、全国に展開する施設や季節ごとのプランが用意されているケースも多く、従業員が自分の都合や希望に合わせて予約しやすいというメリットがあります。

一方で、利用可能な施設やプラン内容があらかじめ固定されているため、従業員の希望と完全に一致しない場合もある点はデメリットです。

「行きたい地域に施設がない」「人気のプランがすぐ埋まる」など、利用者のニーズを十分に満たせないケースもあるため、事前にラインナップの幅や柔軟性を確認しておくことが重要です。

会員制リゾートホテル

会員制リゾートホテルは、企業が法人向けの会員権を取得したり、法人契約を結んだりすることで、従業員が専用のリゾート施設を利用できる宿泊型福利厚生です。

会員制ならではの優先予約枠が確保されているため、一般客では予約が難しい繁忙期でも比較的安定して宿泊できる点が大きな特徴です。

また、施設の管理・清掃・運営はホテル側が担うため、企業側の管理負担がほとんどありません

全国に複数の施設を展開している会員制リゾートであれば、従業員のライフスタイルや勤務拠点に合わせて柔軟に利用できるなど、利便性の高さも魅力です。

一方で、会員権の取得費用や年会費など、初期費用・継続費用が発生する点はデメリットです。

また、施設の立地や規模が従業員の希望と合わない場合、利用率が伸びず、制度が十分に活用されない可能性もあります。

費用対効果と従業員ニーズのバランスを見極めながら、導入を検討することが重要です。

自社保有の保養所

自社保有の保養所は、企業が宿泊施設を自ら所有し、従業員が自由に利用できる宿泊型福利厚生の形態です。

自社保有であるため、利用条件・予約ルール・運用方針を企業側で柔軟に設定できる点が大きな特徴です。

特定の従業員層に合わせた運用や、研修・社内イベントと組み合わせた活用など、独自の使い方ができるのも魅力です。

また、長期的に見ると外部サービスの契約料を支払う必要がないため、利用率が高い企業ではコストを抑えながら福利厚生を提供できる可能性があります。企業独自の“特別感”を演出しやすい点もメリットです。

一方で、施設の維持管理・清掃・修繕・設備更新など、運営に関わる負担はすべて企業側に発生する点がデメリットです。

利用頻度が低い場合でも固定費がかかるため、管理人の人件費や修繕費を含めた長期的なコスト試算が欠かせません。また、立地や設備が従業員のニーズと合わない場合、利用率が伸びず、制度が形骸化するリスクもあります。

自社保有の保養所は、利用率・維持コスト・従業員ニーズのバランスを慎重に見極めたうえで検討することが重要です。

ホテル代や交通費の割引制度

ホテル代や交通費の割引制度は、企業が旅行会社・ホテル・交通機関などと提携し、従業員が通常より割安で宿泊や移動を利用できる福利厚生です。

出張が多い従業員にとってはもちろん、プライベートの旅行にも使えるため、幅広い層にとって利用しやすい制度といえます。

この制度のメリットは、柔軟性の高さ導入のしやすさです。

特定の施設に縛られず、従業員が自分の都合や目的に合わせてホテルや交通手段を選べるため、利用のハードルが低く、満足度も得やすい傾向があります。

また、企業側の管理負担も比較的小さく、コストを抑えながら福利厚生を提供できる点も魅力です。

一方、割引率が低い場合や、利用可能なホテル・交通機関が限定されている場合は、制度が十分に活用されない可能性があります。

「結局あまり安くならない」「希望のホテルが対象外」といった不満が生じると、制度そのものが形骸化してしまうことも。

そのため、導入前には

  • 割引率の実質的なメリット
  • 利用可能な施設の幅
  • 従業員の利用シーンとの相性

を確認し、従業員が“使いたいと思える制度”になっているかを見極めることが大切です。

4.宿泊型福利厚生を上手に運用するコツ

宿泊型福利厚生は、制度を“導入するだけ”では十分な効果を発揮しません。

ここでは、制度を活性化させ、従業員にしっかり利用してもらうためのポイントを紹介します。

従業員のニーズを事前にリサーチする

宿泊型福利厚生を効果的に運用するためには、まず従業員のニーズを事前に把握することが重要です。

利用者の年齢層、家族構成、休暇の過ごし方などは多様であり、これらの違いは施設やプランの選定に大きく影響します。

例えば、単身者の利用が多い場合と家族帯同の利用が中心となる場合では、求められる施設やサービスが異なります。

そのため、アンケートやヒアリングを通じて従業員の希望や利用意向を把握し、制度設計や施設選定に反映させることが欠かせません

従業員の声を取り入れることで、利用促進や満足度向上にもつながり、制度への関心や信頼感を高める効果も期待できます。

制度導入前に十分なリサーチを行い、従業員ニーズに即した福利厚生を提供することが、成功の大きなポイントとなります。

利用方法や条件の周知を徹底する

宿泊型福利厚生を円滑に運用するためには、利用方法や条件を従業員に明確に周知することが欠かせません。

予約手順、利用可能な施設、対象期間や人数制限、キャンセル規定などが曖昧なままだと、従業員が制度を十分に活用できず、不満や混乱を招く可能性があります。

特に、人気施設や繁忙期は予約が集中しやすく、ルールを理解していないと不公平感が生まれやすくなります。

そのため、利用マニュアルの作成やイントラネットでの情報共有を通じて、制度内容を正確に把握できる環境を整えることが重要です。

明確なルールの提示は利用促進や満足度向上につながり、従業員に安心感を与えるポイントにもなります。

利用頻度を定期的にモニタリングする

宿泊型福利厚生を効果的に運用するためには、従業員の利用状況を定期的にモニタリングすることが重要です。

利用頻度や予約状況、人気施設の稼働状況を把握することで、制度が適切に活用されているか判断できます。

利用が特定の従業員に偏ったり、希望者が特定の時期に集中したりすると、不公平感や不満が生じやすくなるため注意が必要です。

また、利用頻度が低い施設やプランがある場合は、制度内容の改善や見直しを検討する良い機会になります。

企業担当者が定期的にデータを確認し、必要に応じて調整をすることで、制度の活性化や従業員満足度の向上につながり、「活用される福利厚生」を実現できます。

満足度調査をしながらPDCAを回す

宿泊型福利厚生を効果的に運用するためには、従業員の満足度を定期的に調査し、その結果をもとに制度改善のPDCAサイクルを回すことが重要です。

利用者の声を収集することで、施設やプランの利便性、予約のしやすさ、家族帯同への対応など、従業員が感じる課題や改善点を具体的に把握できます。

これにより、見直すべき制度設計や運用ルールが明確になり、利用促進や満足度向上につながります。

さらに、従業員の意見を制度に反映することは、「自分たちの声が反映されている」という実感を生み、制度への信頼や利用意欲の向上にもつながるため、積極的に取り入れたい視点です。

5.まとめ|宿泊型福利厚生を検討中の企業様へ

宿泊型福利厚生は、従業員満足度の向上、採用力の強化、企業イメージの向上など、多くのメリットがあります。

しかし、施設選定・契約形態・利用ルールの整備など、検討すべきポイントは多岐にわたり、担当者の負担が大きくなりがちです。

そこで、法人向けの会員制リゾートクラブを提供する株式会社リロバケーションズでは、

  • 宿泊型福利厚生制度設計
  • コストシミュレーション
  • 利用目的に応じたプラン提案
  • 導入後の運用サポート

など、企業の状況に合わせた支援を行っています。

東証プライム上場・リログループの一員として豊富な実績を持ち、初めての制度設計でも安心して相談できます。

法人向け会員制リゾートクラブの詳細はこちらからご覧いただけます。

https://www.pvr.jp/rclp_difa_03

宿泊型福利厚生の導入や既存制度の見直しを検討されている企業様は、ぜひ一度お問い合わせください。